今回は数学界の大先生、藤田宏先生の著書である
理解から応用への関数解析
を紹介します。この本はタイトルの通り、関数解析に関する基本事項を多くの例や図を効果的に用いながらわかりやすく説明されています。
大学の数学科では、通常関数解析は3年生・4年生で学ぶわけですが、はじめは抽象的しぎてとっつきにくい分野であると同時に将来、関数解析を専門とする人以外の大部分の人は、関数解析を用いて他の分野、例えば編微分方程式・有限要素法・精度保証付き数値計算などを解析するのではないかと思われます。
しかしながら、ほとんどの関数解析の本は、本格的ではじめての人には読みにくい印象を与えます。(いい本はたくさんあるのですが・・・)
その点この藤田先生による「理解から応用への関数解析」は比較的読みやすいのではないかと思います(もちろん個人差はあります)
学部生の間は、この本を1冊読みこなすだけでも十分に力が付くでしょう。
第1章 関数解析の舞台と主役
第2章 ノルムと内積
第3章 バナッハ空間、とくにヒルベルト空間
第4章 線形作用素の基本
第5章 射影定理とそれからの展開
第6章 固有値からスペクトルへ
第7章 弱収束と完全連続作用素
第8章 古典的な固有値問題の関数解析
第9章 発展方程式への登り口
微積分は二度学べ―。
本書は、応用数理の諸問題に取り組む人のための、微積分の兄貴分=関数解析の入門書である。
定理の証明は概念・方法を把握する手段と位置づけ、だれもが苦痛なく、理論を学べるよう工夫した。
熟達の筆致による解説、考え抜かれた内容構成。
確信を伴う理解が、発展的な応用力の獲得を保証する。
「岩波講座 応用数学」からの単行本化。
藤田宏[フジタヒロシ]
1928年生まれ。東京大学理学部物理学科助手、同工学部物理工学科講師・助教授を経て、同理学部数学科教授(1966‐1989年)。その後、明治大学理工学部数学科教授、東海大学教育開発研究所教授。東京大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)